オリエンテーリングとは?


オリエンテーリングは地図上に示されたいくつかの地点間を 自由なルート で進んで タイムを競うスポーツ です。


オリエンテーリングの地図の例です。 スタート地点が△で示されています。 そこから1,2,…と番号の振られた○の地点を順番に回り、 最後は◎の地点にフィニッシュします。

△と○の間、○と○の間は基本的にどこを通っても自由です。 自分でルートを決めてナビゲーションしながら進みます。 これがマラソンやトレイルランニングと違うところです。


どこで行われる?

森の中や公園などで行われます。 大学のキャンパス内や、ごく稀に街中で行われることもあります。




グループで回るの?

世間一般に知られているオリエンテーリングってグループで回るイメージありますよね。 でも実は個人競技なんです。 初心者向けにグループで回るクラスも用意されていますが、基本的には一人で回ります。


勝負は何で決まる?

オリエンテーリングの勝負はおおよそこの3つの総合力で決まります。


ナビゲーションってどうやるの?スマホは使用できる?

オリエンテーリングでは コンパス(方位磁針)と紙の地図だけを使います。 スマホやGPS機器などはナビゲーションの道具として使用できません。
「正置」「サムリーディング」など 紙の地図を使ったナビゲーションのための基本的な技術がいくつかあり、 これらを身につけると格段にナビゲーションがしやすくなります。


良いルートって?

例題で考えてみましょう。 次の△→1、あなたならどう行きますか?



次の5→6はどうでしょう?




△→1


左右大きく2つのルートがありますね。
どちらでも大して違わないかと思いきや 右が330m、左が370m、1.1倍以上の距離差があります。 ということは体力の限界のスピードで進めたとして 「3km10分の走力を持つ左ルートを選んだ選手」よりも 「3km11分の走力を持つ右ルートを選んだ選手」の方が早く1に着くのですね。

このようにオリエンテーリングでは 上手に技術を使えば足の速い選手にも勝てる場合があります


5→6


距離で考えれば左が短いですね。 でも実は左ルートは一度山に登って下りてくるルートなのですね。
さてどちらが速いでしょう?

このようにオリエンテーリングでは どのルートが最速と一概に言えない 場合が割と多いのです。 個々人の得意不得意によって「正解」が違ってくるかもしれません。 箱根駅伝でも平地が速い選手と山区間が得意な選手がいますよね。


おまけ

以上2つの例題は左右2つのルート候補から選ぶというものでしたが、 実際は次の10→11の例のようにルートの候補がたくさんある場合もあります。 これまでの例題では物足りない、という方はこの例題も考えてみましょう。



正解ルートが気になる方は 第14回昇竜杯のルート解説へ。


オリエンテーリングって難しい? 体力的にきつい?

オリエンテーリングでは 年齢・性別・経験や技術レベルに応じたいくつものクラスがあり、 ご自分のレベルに合ったクラスを選べます。 初心者・初級者向けには易しいコースが用意されます。 高齢者向けなど体力的な要求水準を抑えたコースも用意されます。


【初心者コース】



【ちょっとステップアップ】



【上級短め】



【上級】



オリエンテーリングをやってみる

あなたが大学生なら

オリエンテーリング愛好家の中で一番多いのが大学で始めた人 です。 またオリエンテーリングの練習の機会や技術指導などの体制が一番しっかりしているのも大学クラブです。 あなたが大学生でオリエンテーリングに興味があるなら いま始めるのがおすすめです。

あなたの大学にオリエンテーリング部があるかどうかを簡単に調べる方法をご紹介しましょう。 日本学生オリエンテーリング選手権大会 という、学生日本一を決める大会があります。 その「要項3」 (3.0だったり3.1だったりしますがサブバージョンは気にしなくて良いです) の後ろの方に「参加者数リスト」があります。 この一覧表の「加盟員数」がほぼ部員数みたいなものです。 個人で加盟しているケースもありますが 加盟員数が数名以上であれば部が存在すると思って間違いないでしょう。

ではあなたの通う大学にオリエンテーリング部が無い場合は? そういうときは近隣の大学のオリエンテーリング部に 興味があると言ってコンタクトを取ってみましょう。 オリエンテーリングのコミュニティでは大学間の垣根が低く、 複数大学合同で活動しているクラブが多数あります。 間違いなく歓迎してもらえると思います。

ちなみに 愛知県内では名古屋大学・椙山女学園大学・名古屋工業大学にオリエンテーリング部があり、 この3大学合同で「名椙(めいすぎ)OLC」というチーム名で活動しています。 2024年4月現在、愛知県立大学と愛知工業大学の学生も1名ずつがこのチームに所属しています。

大学クラブとのコンタクトの方法は? 最近はSNSが広報手段の主流になるにつれて ホームページや連絡先メールアドレス等の更新は行われなくなってきていますので XやInstagramなどでクラブ公式アカウントを探してDMで連絡するのが確実です。


あなたが中学・高校生なら

中学・高校でもオリエンテーリングは行われているのですが、 その学校数は大学に比べるとかなり少なくなります(全国で数校程度)。 愛知県内では東海中学・高校ワンダーフォーゲル部がオリエンテーリングの活動を熱心に行っています。 関東では桐朋、麻布、浦和高校などがオリエンテーリング部としてはメジャーどころです。

残念ながらご自分の通う学校にオリエンテーリング部が無い場合は? このときは大学生になるまで待つ手もありますが、 すぐにやってみたければ次の「どれも当てはまらないなら」をご覧ください。


どれも当てはまらないなら

社会人でオリエンテーリングをやってみたくなったら? ご安心ください。 オリエンテーリングは生涯スポーツです。 90歳代でもオリエンテーリングをやっている人はいます。

オリエンテーリングのイベントの情報は orienteering.com Japan-O-entrY に載っています。 ここからご近所のイベントを選んで申し込めば参加できます。


実際の参加の流れ

1. 申し込む

オリエンテーリングのイベントは事前申込が基本です。 イベントによりますがおおよそ2ヶ月前くらいに受付開始、 1ヶ月前くらいに申込締切というケースが多いです。

ほとんどのイベントはインターネットからの申込になります。 orienteering.com Japan-O-entrY から受付期間内にイベントサイトにアクセスすれば申込ができます。 申込に必要な情報は「要項」に書かれているので確認しましょう。

たいていのイベントでは参加クラスの選択肢がいくつかあり、自分で選べるようになっています。 一般的に「N」が初心者クラス、「B」が初級者クラス、 「A」が上級者クラス、「E」がエリートクラスです。 また性別(M/W)や年齢制限(20歳までは「以下」、21歳からは「以上」)もあり、 これらを組合せて例えば 「MB(男子の初級者,年齢制限なし)」「W35A(女子の35歳以上の上級者」 といった具合にクラス名が決まります。 初めての参加であれば「N」の付くクラスを選んでおけば間違いないでしょう。


2. 準備する

イベント1週間前くらいにホームページで「プログラム」「スタートリスト」が公開されます。

オリエンテーリングでは「人についていくだけ」にならないように 一人ずつ時間をずらしてスタートします。 「スタートリスト」は誰が何時何分にスタートするかを示したリストになります。 主催者が無作為に(乱数などを使って)決めています。 これとプログラム(特に会場-スタート間の移動の所要時間)を見て会場に着く時間を決めます。

持ち物はプログラムに特に書かれていなければ 運動できる服装、靴、腕時計、飲食物、お金、健康保険証 (、お持ちの場合:コンパス(方位磁針)、安全ピン)くらいです。 泥んこになる可能性があるので衣類はそれを想定したものを選びましょう。 滑り止め機能のしっかりした靴(トレイルランニングシューズやサッカーシューズ等) があればおすすめです。 オリエンテーリングのための特別な持ち物は少ないですが、 腕時計はオリエンテーリングの遭難対策の仕組み上の必須品なので忘れず持参しましょう。 トレイルランニングと違い、飲食物は持って走る想定はしなくて大丈夫です。


3. 会場で

会場では着替えや準備体操のほか、 コンパス(方位磁針)と「Eカード」または「SIカード」をレンタルします。 「Eカード」「SIカード」はコースを回ったこととそのタイムを記録するための電子機器です。 競技で使用する地図はこの時点では受け取りません。
イベントによってはゼッケンが配布される場合があるので装着します (ゼッケン用の安全ピンは各自持参または会場で「有料で」購入の場合がほとんどです)。


4. スタート地区へ

オリエンテーリングのイベントでは会場とスタート地区が離れている場合が多いです。 コンパス(方位磁針)、EカードまたはSIカード、ゼッケン、腕時計を持って ご自分のスタート時間に間に合うようにスタート地区に移動します。

スタート地区への移動方法はイベントによって異なるのですが基本的には
のどちらかです。 クラスによってスタート地区が異なる場合があるのでテープ誘導の色はプログラムで確認しましょう。


5. スタートの仕方

スタート3分前になったら役員にチェックを受けて 現地にスズランテープ等を使って設営されているマス目(スタート枠)に入ります。 以後、チャイマーの合図(1分おき)に合わせてマス目を1つずつ進みます。 1分前枠に入ると役員から地図を裏返しの状態で配布されます。 チャイマーの合図と同時にスタートします。地図はこの瞬間に初めて見ることができます。


6. 地図上の△へ

スタート後はまず赤と白の2色のストリーマーまたはスズランテープを辿ります。 その終点には目印となる旗が設置されており、ここが地図上の△の場所です。

なぜスタート地区と地図上の△の場所をこのように離すかというと、 スタート時間の遅い選手が前の選手のルートを見れないようにするためです。


7. 競技

地図上の△の地点から先はご自分でルートを決め、ナビゲーションして進みます。 基本的にどこを通ってもOKですが(道を外れてもOK)
は立入禁止ですので入らないようにお願いします。

地図上の○の中心に到着すると目印となる旗が設置されています。 この旗には「Eカード」または「SIカード」をはめ込む器具が取り付けられており、 そこにはめ込むとその地点を通過したことが記録されます。 駅の改札にmanacaをタッチするイメージです。

最後の○からフィニッシュ(◎)までは 再び赤と白の2色のストリーマーまたはスズランテープを辿ります。 フィニッシュにも「Eカード」「SIカード」をはめ込む器具が設置されており、 そこにはめ込んだ時刻がフィニッシュ時刻となります。

オリエンテーリングでは遭難防止のため「競技時間」「フィニッシュ閉鎖時刻」が決められています。 この時間までに帰還していない参加者がいる場合、行方不明者として捜索されます。 もし長時間迷子になってしまった等で「競技時間」をオーバーしそうな場合は 競技を中断してフィニッシュに向かってください。


8. 競技後

会場に戻ったら「Eカード」「SIカード」の記録を読み取ります。 この記録に基づいて成績が算出されます。

オリエンテーリングのほとんどのイベントでは成績が LapCenter というWEBサイトに掲載されます。 成績だけでなく各区間ごとのタイムや順位やミスタイムなども見られるようになっており レースの振り返りに便利です。


オリエンテーリングって実際どんな感じ?

百聞は一見にしかず、ということで写真や動画で見てみましょう。 といっても実際に山の中を走っている様子を撮る機会って意外と少ないのですよね。 そんなわけで自前のいい写真などがあまり無いので外部サイトの紹介です。



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