走(そう)るメイトランキング
計算の基本的な考え方—参加クラスの異なる選手をどう比較するか
次のような例を考えてみましょう。
- 25歳のAさんは全日本大会のM21Eクラスに出場し、
トップが90分のところ99分で完走しました。
- Aさんは昇竜杯のR1クラスに出場し、40分で完走しました。
50歳のBさんは昇竜杯のR1クラスに出場し、60分で完走しました。
- Bさんは名椙大会のM50Aクラスに出場し、50分で完走しました。
64歳のCさんは名椙大会のM50Aクラスに出場し、65分で完走しました。
- Cさんは全日本ミドルのM60Aクラスに出場し、40分で完走しました。
69歳のDさんは全日本ミドルのM60Aクラスに出場し、48分で完走しました。
大会 | クラス | 選手 | 成績 |
全日本大会 |
M21E |
優勝者 | 90分 |
Aさん | 99分 |
昇竜杯 |
R1 |
Aさん | 40分 |
Bさん | 60分 |
名椙大会 |
M50A |
Bさん | 50分 |
Cさん | 65分 |
全日本ミドル |
M60A |
Cさん | 40分 |
Dさん | 48分 |
さて問題です。もし日本全体のトップとDさんが同じコースを走ったとしたら
どんなタイム比になると期待されるでしょうか?
落ち着いて順に考えてみましょう。
- Aさんは全日本大会でトップが90分のところ99分で走ったのですから、
Aさんの所要時間は日本全体のトップの1.1倍と評価できます。
- AさんとBさんは昇竜杯で同じコースを走り、
Aさんが40分のところBさんが60分だったのですから、
Bさんの所要時間はAさんの1.5倍と評価できます。
- BさんとCさんは名椙大会で同じコースを走り、
Bさんが50分のところCさんが65分だったのですから、
Cさんの所要時間はBさんの1.3倍と評価できます。
- CさんとDさんは全日本ミドルで同じコースを走り、
Cさんが40分のところDさんが48分だったのですから、
Dさんの所要時間はCさんの1.2倍と評価できます。
ということは
- Aさん=日本全体のトップ×1.1
- Bさん=Aさん×1.5
=日本全体のトップ×1.1×1.5
- Cさん=Bさん×1.3
=日本全体のトップ×1.1×1.5×1.3
- Dさん=Cさん×1.2
=日本全体のトップ×1.1×1.5×1.3×1.2
=日本全体のトップ×2.574
となります。
つまり、もし同じコースを走ったとしたら
Dさんは日本全体のトップの2.5倍前後の時間がかかると予想されます。
例えば日本全体のトップが20分で回れるコースを
Dさんはおおよそ50分くらいかけて回れる程度の実力を持っていると判断できるわけです。
「ランキング規程」ではこのような選手の実力を
「ポイント」という尺度を用いて評価します。
大雑把に言えばポイントとは日本全体のトップとの期待されるタイム比の
逆数を取って100を掛けたようなもので、例えば
Dさんのポイント=(1÷2.574)×100=38.8500
と計算できます。
このポイントの高い順に選手を並べたのがランキングです。
もちろん同じ選手であってもその日の体調やレースの出来不出来によって
成績は変わってきますので、上の例のように少数の大会の記録を使って
少数の選手との比較によってポイントを計算しても
正確な実力の評価にはなりません。
実際のランキング計算ではコンピュータを使って上の例と同じような計算を大量に行い、
各選手のポイントを求めています。
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