自宅でできるオリエンテーリング技術練習3

コンパスのリングを回してみよう



目的
直進で必要になるコンパスのリングを回す操作の練習です。


用意するもの


下準備
  1. 白紙に等間隔で直線を引く(間隔の目安:2.5cm程度)
  2. その上から定規を使って適当に一筆書きの折れ線を書く

完成イメージ



練習
等間隔で引いた直線を磁北線、折れ線の一区間を進行方向と思って 直進の動作を練習します。

手順
(1)進行方向にコンパスの長辺を合わせます。


(2)コンパスのリングの中の線が磁北線に平行になるまでリングを回します。
リング内に磁北線が無い場合はコンパスを平行移動させます。 図のようにコンパスの板の部分に書かれた長辺に平行な線を利用するのが便利です。


(3)コンパスを体の正面で水平に構え、 リングの中の線がコンパスの針と平行になるまで体ごと回転します。


本当はこのあとに「顔を上げて正面に目標地点を決め、そこまで進む」 という手順が続きますが、部屋の中では出来ないので このステップ3までを各レッグについて繰り返します。


解説
この課題は「すぎやま辿り」に似ていますが、 進路を直線に限定してコンパスのリングを回す動作を加えた点が違いです。

正置にコンパスのリングを回す動作を加えたのが「直進」と呼ばれる技術です。
リングを回すことによって磁北線をコンパス上に「写し取った」ことになり、 以後はリングの中の線を磁北線代わりにして進むことができます。

これによって進行方向の維持が容易になり、 何も特徴物が無い場所であっても100〜200mほどの距離をまっすぐ進むことができます。

この技術は富士山の南麓や長野県の駒ヶ根高原など片斜面のテレインで特に重宝しますが、 愛知県三河高原のような尾根沢の発達したテレインであっても 進行方向の維持に役立ちます。
例えば長い尾根辿りの課題をこなすとき、 尾根の大まかな方向にコンパスのリングを回しておくことで 別の尾根に乗ってしまうリスクを軽減できます(下図)。






おまけ(上級向け)
紙の端の方を使ったり、磁北線代わりの縦線をところどころ切ったりすると 難易度の高い練習になります。

こちらの地図は 磁北線を多く切断した上に「偽物の磁北線」として送電線やフェンスを加え、 更に磁北線の上に地図記号を多く重ねて見づらくした高難度の課題です。 余力のある方はコンパスの平行移動や磁北線の代わりになる様々な縦線 (どんなものがあるでしょう?)を駆使してトライしてみましょう。


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